さて、苗場の水がぬるむよう水路を二重に改善して、木の伐採もしてお日様がよく当たるように改善して、次はなにかと言いますと、田起こしだ。寺家ふるさと村に菜の花が咲き始めた2月の末に第1回目の田起こしを行なった。
明治初期ぐらいまでは湿田と言って、1年中田んぼには水があったらしい。それが、現代は秋の収穫前に水を抜いたら、あとは水を入れずにそのまま乾かしておく。乾田と言って、この方が収量が上がるんだそう。
乾かすと土中に窒素が増えて、それが土の栄養分となるらしいんですな。田んぼの科学が解明されて、明治以降に奨励されたやり方が、秋冬は水を抜く乾田なのだそうだ。
田起こしは土木作業だ!
乾いて固くなった土を、クワとスコップでえっちらおっちら掘っくりかえす。
そうそう、プロの農家さんはトラクターで耕すが、私たちはクワを振り上げて、人力でやるんですな。だって、それが楽しいんだもん~。日常の効率化一辺倒の忙しさから解放された休日だもの、レクリエーションなんだから(笑)
さあ、これから田起こし開始。足元には枯葉がうず高く落ちている。これもぜ〜んぶ梳きこむのだ。この枯葉も田んぼの肥料となる。山の谷間にある谷戸田(やとだ)だからこそできる、タダで降ってきたありがたい肥料なのだ。
深く掘っくりかえすほど、田んぼの土は良くなる。乾燥させて土中に溜まった窒素を空気にさらして、分解しやすいようにするのだと先生から教わった。分解させないと、せっかくの窒素を稲が吸収してくれないのだとか。
これが窒素・・(だと思うw)
確かに深く掘り起こすほど、土に青い塊が付いてくる。女たちが非力な力で耕していると、先生から「もっと深く、もっともっとよー!」とカツが入る。
は〜い、がんばりま〜す♪ えっさ〜ほいさ〜。
時にミミズが一緒に掘り起こされる。このミミズも田んぼにとって大事な役目を果たす。ミミズや微生物が有機物を分解して、植物が吸収しやすい栄養にしてくれるのだ。大事なミミズはそっと土の中に戻してあげる。
モグラの穴、発見。
男たちは畦道と水路のプチ灌漑中に、モグラの穴を見つけて大喜び(笑)
いや、喜んじゃいけないんですけどね。モグラの穴はかなり長い迷路を作っていた。しかも畦道を貫通していた。これでは田んぼの水が全部落ちていってしまう。
しかも、穴はひとつだけではなかった。どうやらファミリーで住んでいるようだ。たくさん穴ができてしまった畦は一旦壊し、もう1度作り直すことになった。
水路のプチ灌漑にクロ切りに。
そして水の流れが悪くなった水路も、溜まった泥を掘り起こし傾斜をつける。
土が崩れて田んぼに侵食してきた畦のフチもスコップで切っていく。これはクロ切りと呼ばれる。田んぼではクロ、シロ、アカという名称が大昔から使われてきている。クロは田んぼを区切る小さな畔。シロは田んぼの中。アカは農道のことを指すらしいのだ。赤べこを通す道だからアカなのかな?
こうして、この日の作業は終わった。皆様、お疲れさまでした〜。
汗をかいたあとのビールの美味いこと♪
田起こしは、1ヶ月後もう1度やった。
たくさん土に空気を混ぜ、柔らかくすると、それだけ稲の根が伸びやすくなるのだ。
この時は、マイケルチームは参加者たったひとり!ひとりで耕して、さぞかし大変だったでしょう。
いやいや、さすが若者♪ 頼もしいっす。お疲れさまでした〜。
この続きは
Tokyoの田んぼ。種籾まきの巻。