蜂の襲来、毒の吸い出し器って?

蜂

田んぼがほったらかしになってたので、行って来ました。が〜!しかし。結局、ほとんど何もできなかった。
というのも、先週は私ともうひとり、若い青年のふたりきりだったのだが、作業を始めてまもなく彼が蜂に襲われたのだった。

「刺された〜〜!!」
「蜂、蜂っ!」
と、田んぼの反対側から大声が聞こえた。
「救急車!救急車を呼んで!」

そのパニクりぶりに駆け寄ってみると、あろうことか、頭のてっぺんを刺されたらしい。
とりあえず農具の収納小屋がある広場まで行って、消毒液をばしゃばしゃかける。髪の毛を掻き分けながら、どこ?この辺?と、刺された場所を探しながら。
頭のてっぺんと言ってもけっこう範囲は広うございます。触ると「あ、そこ」と言うし、ずらして触っても「そこ!」と言うし。腫れてこないんだよね。赤くもならないし。もう、てっぺんのどこだかわからないので、ほとんど頭全体に消毒液ばっしゃばしゃかけ流す。

その間に先生が、寺家ふるさと村の四季の家に電話をかけてくれる。四季の家に毒の吸い出し器があるそうで、向かうことになった。

5分で毒は広がってしまう。

毒の吸い出し器「ポイズン・リムーバー」をスタッフから受け取るも、どこが刺された場所かわからないんですよね。さっきよりは頭のてっぺんが少しふっくらしている気もするが。ポイズン・リムーバーの吸い口は、割と小さい。

まごまごしてると「ここまで車で来たの?刺されてどのくらいたった?」と、年配の男性から声をかけられた。その日は、寺家ふるさと村の里山生物観察会があったそうで、子ども達に教える生物の先生だった。
「歩いてきました。20分は経ってます。」と答えると、
「あ〜、毒の吸い出しは5分以内にやらないと。5分で毒は広がっちゃうから。そんだけ時間が経ってて歩いて来れたなら、大丈夫だな。」

蜂は黒いものを襲う。

「蜂はね、黒いものを襲うんだ。熊を襲う習性があるんだ。」
あ、なるほど。熊はハチミツが大好きだものね。蜂の天敵だ。熊の右手はハチミツがたっぷり染み付いてて、ジビエ料理の中では高価な食材だと聞いたことがある。

「これからは蜂が活発に動く季節だから、白い帽子をかぶりなさい。」
ほら見ろ〜。君はいっくら言っても帽子かぶらないから。これからはかぶれよ。

「黒装束もだめだよ。養蜂家は白装束着てるだろ。」
なるほど〜。黒い服は蜂の標的になるのね。今日の彼の服は、後ろ身頃と袖が紺色のTシャツ。髪は真っ黒。しゃがんで作業してる後ろ姿は…子熊だわ、あらまー。

ビニール袋に氷を詰めてもらい患部に当てた。流水で洗い流すのと、氷で冷やすのは応急処置としていいそうだ。消毒液をばしゃばしゃかけ流したのは、どうやら正解だったようだ。また、毒を口で吸い出すのは口中に傷や虫歯があると、そこから毒が回るのでやってはいけない。

アナフィラキシーの危険性も。

今回は大事に至らずにすんだが、蜂の毒に対して悪い抗体ができてしまうと、アナフィラキシーが怖いそうだ。激しい急性アレルギー反応です。ぜーぜーする呼吸や嘔吐、けいれん、腹痛など、その症状が見えたら、即、救急車ですね。

ちなみにその生物の先生は、良い抗体ができたらしく、もう5〜6回は蜂に刺されているけど大丈夫とのことでした。蜂は臆病なので、手で払ったりなど大きな動きを人間が見せると、攻撃されたと思って攻撃してくるのだそうだ。なるべく動かず、そっとその場から離れるのがよいとのことでした。

まとめ

●蜂の標的になる黒い服を山で着ない。黒ではない帽子をかぶる。
●大きな動きを蜂に見せず、そっとその場を離れる。
●毒の吸い出しは5分以内に。そして、口でしない。ポイズン・リムーバーがない時は指でつまんで押し出す。
●応急処置は流水でかけ流し、患部を水や氷で冷やす。
●アナフィラキシーの傾向が見えたら、即、病院へ。

ポイズン・リムーバー、買って小屋へ置いときます。備えあれば憂いなし、ね。
あと、帽子をかぶれ!でなきゃ、金髪にしろ〜〜。

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