秋ですね~。柿の季節です。
田んぼの奥の山には昔の人が植えたであろう柿の木が残ってて、立派に野生化している。そりゃ売ってる柿から比べたら実が小さいけど、たわわに実ってる。
柿は日本古来からの果物で、学術名の中に”Kaki”と日本語が入っているほど。日本にある柿はおよそ1000種類。平安時代の文献にも出てくるし、昔話のさるかに合戦でもお馴染みの果物だ。
栄養価も非常に高い。ビタミンCとカロテンの両方を豊富に含み、ニンジン嫌いでも柿を食べればいいじゃないとマリー・アントワネットは言ってないと思うが、それくらい優秀な果物なのだ。
まあとにかく、その柿を採ったはいいんだけど、渋柿なんですよね。完全に熟せば渋柿も甘くなるんだけど、完熟はぶよぶよするからなあ。
今の子たちは渋柿を食べたことあるんだろうか。出荷の前に渋抜きしてあるから、売ってる柿は全部甘いでしょ。渋柿はそりゃもう、食べられたもんじゃありませんって!!
渋柿の渋さって、なんて説明したらいいんだろう。口の中がザラザラになって、口はへの字、速攻でぺぺぺぺぺー!!って感じ。口をゆすいでもゆすいでも渋味が残るし。
でも、私は渋柿を甘くする方法を知っている。ふふふ。だてに年食ってませんって。
渋柿を甘くするには焼酎
うちの実家には昔柿の木があった。家を買ったときに父がガレージの脇に植えたものだ。桃栗三年柿八年と言うが、ほんとに6〜7年くらいで、大きな実をたくさんつけるようになった。
ところがその柿が渋柿だった。でも毎年たらふく食べてたし、ご近所にも配ってた、甘~い柿を。どうやって渋を抜いたかというと、うちの場合は焼酎なんですよ。アルコール度の高い焼酎。30〜40%くらいかな。
まだ固めの柿を早めに採って、焼酎に柿のヘタをちょちょっとつけて、あとは大きなビニール袋に入れて空気入れて膨らませたまま、口をしばって密閉する。そうすると1週間くらいで渋が抜けて、ちょうどよく熟して甘~くなるんですよね。
日本昔ばなしの軒先に吊るしてある干し柿
あれもまた、渋柿の渋を抜く方法なんだそう。ちょっと調べてみると、かなり手間暇かけて作ってるらしい。
元の重さの40~45%程度の柔らかい状態で乾燥を止めたものを「あんぽ柿」と言う。でもあんぽ柿は日持ちがせず、すぐにカビが生えてしまうらしい。
あんぽ柿をさらに乾燥させて、元の重さの35%くらいになったら、一旦ビニール袋に密閉して数日。柿自体が再度しっとりしてきたら、もう1度日に干してさらに軽くなったら、今度は新聞紙をたくさん重ねた上でまた密閉。白い粉が出てきたら、表面を刷毛でこすって均一に粉が出るようにして、これが「ころ柿(枯露柿)」。
うひゃ~~、あの白い粉吹いてる干し柿が、こんなに手間暇かかってたとは知りませんでした。
ちなみに白い粉は果肉から滲み出たブドウ糖が結晶化したもので、天然の甘味料だそう。しかも、干し柿になるとカリウムが生の柿の4倍に、カロテンは3倍にはねあがるらしい。食物繊維も生より俄然多くなる。ポリフェノールも豊富。
おばあちゃん、ごめんなさい。干し柿、見直します。歯につくのがちょっと苦手なんだけどね(笑)
里山の柿を採る方法
柿の木は折れやすいんですよ。固い木なんだけど、ポキンと折れる。登って採るのは危険です。そこで活躍するのが、これ。
竹の先をふたつに裂いて、先端に段差をつけたものです。これで枝をはさむ。この段差が重要なのよ。はさみやすくなり、枝ごとポキっと折って採るんです。柿は折れやすい木だからね。桑の木とは違う。桑の木はしなるよ〜。なかなか折れない。
そういえば、「柿渋」という日本固有の塗料もあるんだっけ。防腐作用があるので、昔、DIYで使おうと思って買ったけど、放っておいたら真っ黒くろのドロッドロになっていた。あ、あと防腐作用だと「柿の葉寿司」というのもあるね。
防腐作用で古くから知られていたということは、抗酸化作用もあるということか。女子としてはこれはますます柿を食せねば(笑)
しっかし・・この内容、タグは料理にしたけれど、料理の類に入るものなんだろうか。
ま、美味しいものが食べれれば幸せです〜。