TOKYO2020開会式に思う、デザインのこと

国立競技場

日本のクリエイターやっぱすごい。

オリンピック開幕しましたね。
ザハ・ハディドのデザイン撤回に始まり、エンブレムのデザイン撤回、コロナによる1年延期、無観客開催、組織委やクリエイターチームの数々の辞任解任などなど。もう開催しなくていいんじゃない?と思えるほどケチのつきまくりだったわけで。私もどちらかと言えば否定派だった。でも開会式を見たら、日本のクリエイターやっぱすごいじゃない!と思ってしまった。←げんきんw

数々の挫折を経て、なおも立ち上がる勇者だね、と、ドラクエの行進曲に感じてしまったのは私だけじゃないだろう。入場プラカードが漫画のふきだしだったのも、やるね。いいよ〜。ニヤリとしてしまった。

あいうえお順の入場も、世界に新鮮な風を送ったんじゃないだろうか。57年前、1964年の東京オリンピックで、ピクトグラムを全世界で初めて開発した日本のクリエイターの遺伝子を受け継いでいると思う。
そして今回は、世界の多様な言葉のひとつである自国語を大事にする姿勢を見せた。世界標準のアルファベット順ではなく、日本語のあいうえお順を採用した。これも多様化を表していると思う。そして自国語での順番がスタンダードになっていくかもしれない。言葉が通じなくても絵で案内するピクトグラムが日本から世界に広まったように。

ドローンで、国立競技場の上空に巨大な地球が出現したのもすごかった。エンブレムから地球へと変化して、夜空高くに登って行った。2018年の平昌冬季オリンピックの二番煎じと言ってしまえばそれまでだが、立体になり、より複雑に動いた。進化してます。1824台ものドローンですって。あれはテレビじゃなく自分の目で見たかったなあ。近いんだから行けば外から眺められたな。CGでも仮想世界でもなく、現実に物理的に起きていることなんだ。なんだか未来に到達してしまったんだなあ。

ここの映像がむっちゃキレイです。独自撮影だそうですよ。

【感動のドローン!!】東京の夜空に美しい地球 Tokyo Olympics .The earth in the night sky of Tokyo comes to mind
https://www.youtube.com/watch?v=ypvgtOAo2wk

本当の未来はアフター・コロナから。

ちなみに、市松模様のオリンピックエンブレムが決まった時、当時の同僚デザイナーさんが、この模様ルイ・ヴィトンみたいと言ったのを思い出した。「これは市松模様と言って日本の伝統柄なんだよ、それを知らないのはデザイナーとして恥ずかしいよ」と、再度ここで言っておこう。
ついでに言えば、日本の市松模様の数珠入れに権利行使したルイ・ヴィトン社もどうかと思うけど。もちろん特許庁は、日本古来の模様として広く一般に知られ、親しまれている市松模様にすぎないから侵害はない、と判定しましたが。伝統模様に商標権をかけることができること自体がおかしいと思う。ディズニーが持ってる7人の小人の商標権もね。

1964年の東京五輪で初めて作成されたピクトグラムは、「社会に還元する」という考えのもと、デザインの著作権放棄が行われ、全世界に広まっていった。その精神こそがSDGsの精神なのだと思う。そんな日本人を誇りに思う。

そして、だ。地球温暖化でどこの国も亜熱帯化してる。パリでも40度ですよ。もうオリンピックは春か秋にやれないんですか、IOCさん。金儲けばっかり考えないでオリンピック精神に還れ、と強く思うし、その風潮は世界で起こってると思う。

人類はコロナを経てまた変わっていく。利権で富を囲い込む時代はもう古い。新しい時代が来る。スピリチュアル的に言えば、200年続いた地の時代から風の時代に入ったと言う。このオリンピックはそういう意味でのひとつのモニュメントなんだな、と思うのでありました。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA