現実的に考える。リフォームプランのジレンマ。

連日、雨です。桜も散っちゃうなあ。

さてさて。現実に帰る。
「うん、まあ、これ全部やるとなるとまったく足りないね。金が。」
それはそうだ。夢はつきないが、現実的な路線を考えねば。いろいろやりたいことから、今度は引き算をして行く。

「ベランダをウッドデッキにするんだったら、バーベキューコーナーは縮小だな。」
「でもちょっとは作りたい。パーゴラはやめても、足元は整えたい。即、庭を使えるようにしたいし。」
「この2区画を隔ててたブロック塀、このままでもいいんじゃないの。これ取り払って処分するだけでも金かかる。おまけに地均ししなきゃいけないし。」
「それじゃあ、自分ちの庭って感じがしないじゃない。隣んちになっちゃうよ。結局、庭を使わなくなってしまいそう。やっぱり、この塀は取らなきゃ。」

「和室はどっちか残さない? クローゼットにフローリングもやらなきゃいけないし。床下に断熱材も入れなきゃだし。畳のままだったら断熱材は省略できる。」
「じゃあリビング続きの和室を残すよ。」
「フローリングは安い合板でいいでしょ?」
「う〜〜ん、そこは譲れない。あとから交換しようって訳にはいかないじゃない。最初にやらなきゃならないところは、無理してもやっといた方がいいと思う。」

「システムキッチンじゃないとだめ?」
「うぐぐぐ。そこも譲れない。私、何度も引っ越してるけど、引っ越し先に合わせて自分でガスレンジつけたり、IHつけたり、そこすごいお金かかるんだよね。借りる側としては、付いてればすんなり決めやすい。それに奥さんが反応しない。人造でいいんだけど、大理石の素敵なキッチンだったら奥さんが飛びつくよ。」
「ううむ・・・。」

最初の勢いはどこへやら。だんだん口数が少なくなってくる。

「ハイジの小屋は諦めて。」
「はい・・・。」

風呂は蛇口と照明交換くらいにしてそのまま使う。トイレも温水便座を上から取り付けるにとどめる。洗面化粧台や壁紙、クッションフロアは一番割安なものから選ぶ、などなど。

2区画を隔てるブロック塀と、雨漏りで見る影もない出窓

昭和の香りがプンプンの和室と、もう1区画にあたる庭

その前にやっとかないと。必須の設備改修。
そして、絶対にやらなければいけないこと、10年以上空き家だったボロボロになってしまった設備の改修。これだけはやらねば人が住めない。パッと見てもこれだけのことが出てきた。

・雨漏りでボロボロになった出窓や屋根の改修。
・外壁塗装。
・雨樋、内壁、天井の補修。
・浄化槽の新規取り替え、水道設備修繕。
・ガス給湯器の交換、ガス管修繕。
・割れている窓ガラスの入れ替え。
・断熱材の追加。

さらに、照明器具は必須、そして駐車場の新設。やはりエアコンも必須だろう。今の世の中、昭和とは訳がちがう。さらに平成も終わろうとしているこの時代。

「う〜〜ん。けっこう厳しいな。思ったよりかかる。」
普通にやれば、この必須の設備改修だけでも相当行くと言う。

「とにかくそれぞれ見積もりとってみる。あと、徹底して現金主義で行こう。即金で払うから安くして、と交渉するよ。なんせみんな小さな自営だから、即金が一番ありがたい。」

なるほど。私もフリーのディレクターを長年やってたからよくわかる。フリーのカメラマンやライター、デザイナーなどにそれぞれ頼むのだが、支払いは各担当部分の仕事が終わって末締めの請求、翌月末の支払いになる。それが即金でもらえれば、余計なストレスが減る。値引き交渉にも応じようというもんだ。
業界はちがってもお金の流れは同じ。どこに苦労するかもいっしょだ。即金で払えば、とりまとめてる弟の余計な気苦労も減る。そこ、大事だよね。

話がまとまり、今度は弟の事務所でサンプルを見ながら、壁紙や外壁塗装の色、その他もろもろをどんどん決めていき、夜、東京へ戻った。なんというスピード。これだけのことが昨日今日、たった二日間で決まった。

さらなる引き算、変更相次ぐ。
2日ほどたって弟から連絡が入った。
「ウッドデッキ、諦めない?」
「え、どした?」
「大工さんと話したんだけどね、潮風を考えると、木じゃ10年持たないって。7〜8年かな。そうなるとコスパ悪すぎる。だからって、保護にペンキべったり塗るんだったら、あまり木の意味ないでしょう。それで潮風にも耐えられる見た目が木の人工素材ね、公園でよく見かけるやつ。あれでウッドデッキも考えたんだけど、これが高い。奥行き180だと50〜60万行きそうなんだよね。」
「ええ〜、あそこだけで?」
「でしょ? で、 いろいろ考えたんだけど、今のベランダ補修して使うのがいいかと。」
「ううむ。」

その他、大工さんが出してきた無垢のフローリングは高すぎて、一部屋減らしても手が出ないことがわかった。それでもプリント合板では納得が行かない。フローリングは中間をとって、合板ではあるけれど、素足に触れる表面材が無垢のものを私が探し出した。ネット通販のものだ。問題は、大工さんには大工さんのルートがあるということ。たいがいは自分のルートからはずれたところから仕入れるのは嫌がるという。ま、めんどくさいものね。

キッチンも同じようなことが起こった。
「ねえねえ、これどう? 今ならセールでむっちゃ安いんだけど。セール期間、あと3日よ。」
と、得意げに送ってみたものの、工期や搬入時期があるのだそうだ。

それでも押したり引いたり、諦めるところは諦めて、譲れないところは建具など他を削って、そんなこんなで、やっと見積もりが出揃った。なんとか予算内だった。

「普通にやったらそんなんじゃできないけど、姉貴には、おふくろの世話まかせっきりで世話になってるから。今回、俺の儲けはなしでやるよ。儲けなし、俺ができるところは俺がやって、それでその値段だからね。」

うぉぉぉ!やった♪
まるっきり、劇的ビフォーアフターだ!
ほんとにほんとに感謝です。持つべきものは親身になってくれる味方。そして味方は自分がやってきたことの結果現れる。どんなこともそれに尽きるなと、しみじみ見積書を見つめるのであった。

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